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新型コロナウイルスの影響が、大企業に多い健康保険組合の財政へ悪影響を及ぼしているそうです。
7月28日の日経朝刊からご紹介します。
健保財政悪化、想定超え 解散危機の水準1年早く コロナ打撃、賃金低下で収入減
ここから
新型コロナウイルスの感染拡大で、大企業の社員や家族が加入する健康保険組合の財政悪化が早まりそうだ。健康保険組合連合会(健保連)はコロナの影響で賃金が低下し、当初想定した2022年度より1年早く危機に陥るとの試算をまとめた。解散の多発もありえ、福利厚生の水準低下や税負担の増加が懸念される。
20年度の保険料収入の見込みは19年度の8兆1000億円から4%減少し、7兆8000億円となった。減少率はリーマン危機時並みの水準という。
減少の主因は賃金水準の低下にある。コロナ感染が広がる前に推計した20年度の報酬月額は37万7千円だが、今回は36万2千円に下がる見通しとなった。賞与も112万3千円から97万8千円に1割以上減る。
一方、院内感染を避けようと患者が受診を控える動きも起き、1人あたり医療費は19年度比で10%ほど減るとみる。受診控えで給付が減ると、収支は2300億円の赤字から1900億円の赤字に改善する。ただ、その後も賃金が減り、受診の動きが元に戻ると、21年度以降の収支は従来見通しより悪化する。
ここまで
健康保険の保険料は、月給にほぼ該当する標準報酬月額とボーナスにあたる標準賞与額に保険料率を掛け合わせて求められます。
新型コロナウイルスにより、賃金の水準が低下しています。
そうすると、健康保険組合に入ってくるお金(保険料)が減ります。
見込みでは4%減るとのことです。
一方、健康保険組合から出ていくお金(医療費)は、患者が受診を控えたせいで10%程度減る見込みだそうです。
これにより、健康保険組合の収支が改善するといのことです。
ただし、それは一時的なことの可能性があります。
ここ何日か、大手企業の第1四半期の決算発表があり、赤字の企業が多いです。
社員の月給への影響は小さかったとしても、ボーナスへの影響は今後さらに大きくなるかもしれません。
健康保険組合の収支の見通しは、今後は悪化する模様です。
そうすると、保険料を上げるという方向へ舵が切られるかもしれません。
健康保険組合を解散し協会けんぽへ加入することもあり得ます。
協会けんぽに対しては、給付費用への国庫補助があります。
協会けんぽの被保険者数が増えると、国民の税負担が増える可能性が高まります。
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