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違法残業の疑いで書類送検

昨日に引続き、またもや長時間労働(時間外労働)のお話しです。

3月9日の日本経済新聞朝刊からご紹介します。

 

 

アクセンチュア、違法残業の疑い 東京労働局が書類送検

 

 

ここから

 

厚生労働省東京労働局は8日、コンサルティング大手のアクセンチュア(東京・港)が、社員に月143時間の違法な時間外労働をさせたとして、労働基準法違反の疑いで、法人としての同社とシニアマネジャーを務める男性社員を東京地検に書類送検した。同局によると、同社では複数回、違法残業が確認されたが、適切な改善が見られなかったという。

 

同社は取材に「関係法令を順守し、さらなる働き方改革、組織・風土改革に全力で取り組む」などとコメントした。

 

書類送検容疑は昨年1月3~30日、社員1人に法定の週40時間を超える違法な時間外労働をさせた疑い。同局によると、この社員はソフトウエアのエンジニアだった。

 

また、労働局は同社の時間外労働に関する労使協定(三六協定)に不備があったとして、無効と判断した。協定では1年に6回までは、最長で月99時間59分の時間外労働が可能と定めていた。

 

ここまで

 

 

 

昨日は、労災保険に絡めて、長時間労働(時間外労働)が精神疾患や過労死を引き起こす可能性があるというお話しをしました。

 

今日は、長時間労働による労働基準法違反に関するお話しです。

 

 

「働き方改革」により、長時間労働が抑制されました(上限規制)。

 

具体的には、原則として、年間の時間外労働は360時間まで、1ヵ月では45時間までとされました。

例外として、特別な労使合意をすれば(特別条項)、年間で720時間まで、1ヵ100時間未満、2~6ヵ月の平均で80時間未満の時間外労働が許されることとされました。

 

1ヵ月45時間の時間外労働を超えることのできる回数は、1年間(12ヵ月)のうち、6ヵ月です。

この特別条項は、通常の繁忙では適用できません。

イレギュラーの場合のみ適用できるという厳しい制度です。

 

なお、「100時間未満」と「80時間未満」という時間数には、時間外労働のみならず休日労働の時間数も含みます。

 

 

労働基準監督署は、上記の時間数の枠内でないと36協定(時間外労働・休日労働に関する協定届)を受付けません。

ですから、当然のごとく、会社と労働者代表者は上記の時間以内に抑えて協定し届出ます。

 

 

ちょっと話がズレるのですが、この36協定には協定の有効期間があります(通常、1年間)。

この初日は、給料の締日の翌日とすると良いです。

たとえば、15日締めで25日払いの会社の場合、〇月16日から翌年〇月15日にすると合理的です。

つまり、労働時間をチェックする場合、締日に合わせておいた方が計算しやすいんですよね。

 

それと、この初日の〇月16日を過ぎてから提出する会社はお気を付けください。

上記の例で、〇月20日に提出した場合、〇月16日から〇月19日の間に時間外労働や休日労働があった場合、違法になります。

協定の有効期間の初日である〇月16日の前に届出てください。

 

 

話しを元に戻します。

記事の会社では、「社員に月143時間の残業をさせた」とのことです。

 

この会社では、特別条項も締結・届出していました。

記事の最後に「協定では1年に6回までは、最長で月99時間59分の時間外労働が可能と定めていた」と書かれていることから分かります。

 

「自分達で、最長で1ヵ月99時間59分までと定めているのに、月143時間の残業をさせるってどうなんですか?違法でしょ」ということです。

月100時間以上の協定は出来ないわけですから、労働時間を随時チェックしながら、超えないようにしていくしかありません。

 

 

注目していただきたいのは、書類送検されたのが「法人としての同社(つまり、会社)とシニアマネジャーを務める男性社員(おそらく、直属の上司)」という点です。

直属の上司と思われるシニアマネジャーを務める男性社員も書類送検されています。

場合によっては、個人に刑事罰が科される可能性がある点に注意が必要です。

 

 

中間管理職の方は、自社の36協定にどのような内容で締結・届出られているかご存知ですか?

加えて、その範囲内に収められるよう部下の殻の労働時間を随時チェックしていますか?

これを知らない人、やっていない人の方が多いと私は思います。

 

 

気を付けていただきたいのは、恒常的に1日に2時間残業をさせている部下です。

1日2時間の残業を毎日すると、1ヵ月45時間の規制なんてすぐ超えますよ。

45時間以上の残業をさせられるのは、1年に6ヵ月だけです。

まず、この手の日々の短めの時間外労働に最低限気を付けてください。

 

その上で、1ヵ月平均で100時間未満(実際は、会社が協定した時間未満)や2~6ヵ月平均で80時間未満(これも同様)といった長時間の時間外労働をチェックしてください。

1ヵ月で80時間もの時間外労働をさせていて、「気がつかなかった」ってわけはないと思うんですけどね。

 

 

1日に2時間の時間外労働は、昨日お話しした過労死のリスクが徐々に高まる時間数と同じです。

9時から18時が所定労働時間の会社(休憩1時間)の場合、毎日20時以降も残っている社員がいれば、過労死と36協定違反の両面から要注意です。

そうしないと、中間管理職自身が書類送検されるリスクが高まりかねません。